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モバイル赤道儀 HOMETOAST Style ≫オーロラ写真家堀田東さん

TOAST Style

Vol.09オーロラ写真家 堀田東さん

マイナス38℃下での駆動

その1からの続き)

ここで注意した点がひとつある。今回の撮影では、モバイル赤道儀TOAST Proのオプショナルパーツ「大容量リチウムイオンバッテリー」もしくは車からAC電源をとり、極軸合わせを終えたTOAST Proを常に稼働させつづけた。というのは、極寒の環境下で常に駆動している状態であれは、モーターからの発熱も手伝ってグリスは潤滑の役目をきちんと果たしてくれるが、電源を入れずに放置し完全に凍りついてしまうと、グリスが固まっておそらく極寒の環境下では駆動しないと思われるからだ。
この日は-38℃まで気温は下がった。しかし常に大容量リチウムイオンバッテリー or 車からのAC電源のどちらかから通電させることで、TOAST Proは快適に駆動し続けてくれた。

北極圏撮影用の特別仕様

カタログスペック上では、0℃までの仕様となっているTOAST-PROだが、検証情報によると-15℃でも問題なく動くようだ(仕様を超えた環境での不具合は保証の対象外なので念のため)。ちなみに私のモバイル赤道儀TOAST-PROは、北極圏の極寒環境下での常用を考慮し、実はメーカーで-60℃対応の特別なグリスを使ったカスタムチューニングしていただいた特別仕様となっている。-10℃を下回る辺りで不具合が出てくる撮影機材が多いなかで、-38度の環境下でTOAST Proが一晩中、稼働を続けてくれたことで、抜群の信頼感を得たとともに、この先の撮影への期待が膨らんだ。

オーロラと星空を同時に写し込む

オーロラが出ない・・・・・。2009年のオーロラ活動は総じて弱かったのだが、今回は昨年を悠に下回る状況で、太陽活動の弱さを裏づける夜が続く。静かな夜を数晩数え、機材のセッティングにも慣れ始めてきた夜、北の空に一本の筋が滲み出てくる。オーロラである。強いとはいえないものの、久しぶりの「魅惑の光」との対面に一安心をするとともに、モバイル赤道儀TOAST Proを使い、撮影に臨んだ。

今回は、TOAST ProにはCANON EOS-5D MarkⅡを取り付け、レンズはEF14mm f/2.8 LⅡUSM、EF15mm f/2.8L、EF24mm f/1.4LⅡUSM、EF16-35mm f/2.8LⅡUSMを主に試す。

10年オーロラ撮影を続けてきて、なかなか解決できない悩みがあった。オーロラを注目させる写真では、意図的な撮影をする一部のケースを除き、その規模と大きさを伝えるための対象物を構図に写し込むことが原則となるため、殆どの場合、上述したような広角レンズを使うことが必然となる。その際、殆どの場合、背景はブレていないほうが良く、星も止まっているほうが見栄えが良い。オーロラが主役となる星景写真を撮る際、ヒラヒラと美しく舞うオーロラのカーテンを表現するため、一枚撮影するための露光時間は、数秒~60秒程度。それ以上長くすると、せっかくのオーロラの動きを止められず、単に明る過ぎる雲が映っているような写真になることが多い。

その3へ続く)

(※下の作例はTOAST Proを使用した成功例です)

カメラ:Canon EOS-1Ds Mark III
レンズ:15mm f/2.8 絞リ開放
感度:ISO1600
追尾:TOAST Pro(極地用特別仕様)
モード:星景撮影モード
露出:75秒
カメラ:Canon EOS-1Ds Mark III
レンズ:15mm f/2.8 絞リ開放
感度:ISO1600
追尾:TOAST Pro(極地用特別仕様)
モード:星景撮影モード
露出:39秒

その3へ続く)

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