TOAST Style
Vol.09オーロラ写真家 堀田東さん
TOAST Proの星景撮影モード
(その2からの続き)
露光時間を決める要素は、以下の3点だ。
「オーロラの規模」
「月の明るさ」
「構図に占める風景の色の明度バランス」
数年前に赤道儀を用いオーロラ撮影に挑戦したことがあったが、恒星時追尾では背景がブレ過ぎて失敗した作例のようになってしまった。今回、赤道儀の回転速度を1/2に抑えたTOAST Proの星景撮影モードの真髄を確かめるべく、期待半分・不安半分で撮影を開始した。
露光時間を短くしすぎると、「星の量」「星の鮮明さ」はTOAST Proを使わない写真とさほど変わらず、逆に露光時間が100秒を超えた辺りから、背景のブレ(カメラと背景までの距離により異なる)に気がつくこともあった。
ただ、抱えていた不安はすぐに払拭される。「絞り」「カメラから背景までの距離」「露光時間」の組み合わせによって、写真の成果が異なるものの、TOAST Proの星景撮影モードを使うことで、概ね20~60秒の露光で、ある程度距離をとった背景は止まって見え、「背景」「星空」の両方をよりよく写すことができた。
レンズ:15mm f/2.8 絞リ開放
感度:ISO1600
追尾:TOAST Pro(極地用特別仕様)
モード:星景撮影モード
露出:20秒
上述3点の組み合わせは、もっとデータ収集をしたいところだが、TOAST Proを使わない状態で撮影した場合、流れて映った星が、TOAST Proを使うことで星が止まっているかのように見え、鮮明にクッキリと星像を結んだ。期待どおりである。
加えてTOAST Proを使わずに撮影した際には映らなかった星が、TOAST Proを使うことで映るようになった。
今までは新月の際に、星が流れて殆どオーロラメインの写真を撮ることができなかったのだが、今年のロケでは、満月の近辺を除いた殆どの期間でTOAST Proが手放せない状態となった。
星景撮影モードの有効性
多くのユーザーが、数分から数十分の露光で撮影しTOAST Proの良さを体感していると思われるが、今回、20~60秒程度という、かなり短い露光による撮影を行うことで、「背景」「星空」その両方をより鮮明に写真に収めたい場合に、TOAST Proの「星景撮影モード」が有効であることが証明された。
そしてもっと撮影に時間をとり、データ収集に努め、より効率の良いオペレートをしていきたいという、来年のロケへの期待が早くも膨らんだ。
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レンズ:15mm f/2.8 絞リ開放
感度:ISO1600
追尾:TOAST Pro(極地用特別仕様)
モード:星景撮影モード
露出:28秒